「女性議席を設けるべきか?」について考える。
こんにちは。あごきれウサギのみもらです。
今日は、瀧川裕英さんの『問いかける法哲学』という本を読んで、男女平等についてちょっと考えてみたのでこちらにまとめます。
まずは、本の紹介を少し。「臓器移植」、「ダフ屋」、「男女平等」など、賛否が別れる15の問いについて、法律学、社会学など様々な学問の専門家が論述を展開するといった内容。決して答えが一つではないという意味では、マイケル・サンデルの『これから「正義」の話をしよう』にも近いものがありました。
男女平等ランキング
日本は男女平等において、主要7カ国(G7)で最下位。
特に、政治参画は125位と極端に低いことが言われています。
では、なぜ日本の女性の議員はこれほどまでに少ないのでしょうか?
原因は二つあると思います。
⑴ 女性を差別してきた過去の法制度
⑵ 女性の家庭内での負担
旧家族制度が残した女性の社会進出への弊害
特に過去の法制度の影響は「家族制度」、「家父長制家族制度」が崩壊して70年以上たった現在でも尾を引いていると思います。
- 結婚したら女性は男性の姓を名乗る
- 世帯主をおく
未だに残っている上のようなルールも尾を引いている原因の一つでしょう。
私が最も問題だと思っているのは、かつての家族制度が生み出した
「家事は女性がするべき」との社会的認識です。
男女雇用機会均等法は、女性の社会進出を促しました。この成果は素晴らしい。
しかし、女性も男性と同等に肩を並べて働くと言うことは、もちろん女性も深夜残業もするし必要だったら休日出勤もしなければならないということです。
評価を受けるのは家事も仕事もこなせるスーパーウーマンだけです。
志のある女性が議員になるのは男性よりも厳しい。
これは事実だと思います。
女性の社会進出は、家事・育児と仕事を両立できるような労働環境を作った上で、男性と女性が対等に評価されるようになって初めて成功したと言えるのではないしょうか。
今の社会では、
「共働きなのに家事は全部女がやって当然と思われてるから日本死ね」
という小言が出るのも当然だと思います。
日本は一夫多妻制の国だった。
さらに長い歴史を辿ってみても、女性の社会的立場は非常に弱かった。
日本の法律は、長い歴史の中で「離婚」を合法としていたにも関わらず、かつて日本では「離婚」した後の女性はさらに社会的に弱い立場に置かれることになりました。
実質的には離婚する自由は女性には無かったと言えるでしょう。
にも関わらず、男性は、妾(愛人)の存在が合法化されていました。妾と妻は同等な二等親とされる法律まであった。これは実質は一夫多妻制とも言える制度です。
一夫多妻制といえば遠い国の話だと思っていたけど日本も150年程前は公認されていたのです。
「男女平等は不断の努力によって確立する。」
長い歴史の尾を引いて、日本は現在も真の意味で男女平等社会とは言い切れません。
しかし、いくつかの会社では「女性の管理職の割合を50%にする 。」などのポジティブアクションが実施されています。
これらの民間の活動を見習って女性議員の数を増やす努力が必要だと思います。
最高裁判所に傍聴に行ってきた
こんにちは。あごきれウサギのみもらです。
今日は最高裁判所に傍聴に行きました。
すでに、10名弱の傍聴希望者がいました。
最高裁判所での傍聴整理券の配布は14時10分から14時20分までの間に行われます。
定員に満たなかったことから、希望者の全員が傍聴可能となりました。
傍聴券を受け取り、係りの方の案内で、いざ、最高裁判所の中へ!
最高裁判所の中は異空間
裁判所は有名な建築家の岡田新一氏の設計によるもの。
中に入れるというだけで不謹慎ながら、とてもワクワクしてしまいました。
石造の重厚な建物の中は天井が高く開放感はあるが、その中にも重厚さが感じられる。
まさに、異空間。
その空間だけ時間が止まっているような。
宇宙人が出てきても何も驚かない、というような雰囲気。
ここに来られただけで、十分に意味があったように感じました。
コインロッカーに筆記用具と貴重品と傍聴券以外の荷物を全て預けます。
その後、とても開放的な待合スペースでソファーに座り、開廷時間を待ちます。
いざ開廷
係りの方の案内により、第二小法廷に入り、傍聴券に記載された席の番号に着席します。
最前列には、被害者の親族かと思われる方々がお出でになり着席されました。
また、最後列の後ろにマスコミ各社がカメラを設置していました。
裁判長が入廷して裁判が始まる前の数分間を撮影する模様。
テレビ局と言えども、裁判が開始する前に退出を指示されており、裁判事態を録画・録音することは許されていませんでした。
テレビ局の撮影が終わり、裁判長が、「上告を棄却」する明文を朗読し、退廷。
裁判の時間は約1分。早い。
被告人の入廷はありませんでした。(弁護人は入廷していました。)
そこで、気になったのが、被告人なしの判決ってありなのかということ。
ちょっと調べたところ、ピッタリな回答はなかったのですが、このサイトによると「二審は被告人に出廷の義務がない」とのこと。
この判決が決定となると思われ、最高裁での公判は今年はこれで最後のため、
今年最後の死刑確定となるのだと思われます。
この裁判は裁判員裁判により、東京地裁で全14回、東京高裁で全3回の裁判が行われましたが、いづれも死刑が求刑されています。(下記のサイト参考)
強盗殺人は、無期懲役または死刑となる重大犯罪です。
裁判所に行くと本当にいろいろなことを考えさせられます。
人生で初めて「裁判傍聴」に行ったら、予想と違った件
こんにちは。あごきれウサギのみもらです。
思い立って、知的好奇心から裁判の傍聴のため東京地方裁判所の庁舎に行ってみました。
この裁判所は建物の中に、
が同居しています。裁判所の庁舎内で民事事件、刑事事件、知的財産権事件など裁判が行われています。
事前に読んだ傍聴体験記を参考にすると、どれも共通して初心者にオススメなのは
☑️ 刑事事件
☑️ 第1回公判
☑️ 地方裁判所で開かれる裁判
とあったのですが、みもらはすごくビビリ屋の性格なので、いきなり刑事事件を傍聴する勇気がなく、、
民事1件、知財1件を傍聴しました。
初めて傍聴する人の心構えになる情報をレポします。
※ただし全ての裁判所で同じとは限らないので、あくまで参考までに。
いきなり行っても大丈夫?
大丈夫です。平日はほとんど毎日何らかの法廷が開かれています。
自分は裁判所のサイトにある傍聴の手引きと個人での裁判傍聴の情報を参考にしました。
法廷が開かれている時間は,だいたい午前が10:00頃から12:00くらいまで,午後が1:00過ぎから4:00過ぎくらいまでです。 東京地裁では,土・日・休日と,年末年始などの特別な時期を除き,通常は毎日何らかの開廷予定があります。
どんな裁判が開かれるか事前にわかるの?
一般の人は事前に知らされません。その日にどんな裁判が行われるかは東京地裁の1階ロビー中央にバーカウンターのようなスペースがあり、タッチパネルがいくつか用意されているので、そこで確認します。
ただ、タッチパネルの情報だけでは、事件内容の詳細を把握する事は難しいでしょう。ほとんどの人は裁判が始まってから、提訴内容がわかるのではないでしょうか。
法廷表(紙)があるとよかったのですが、東京地裁は無さそうでした。複数裁判を傍聴する場合はメモを取るか、都度1階に戻るか、しないといけませんでした。
事前に知っておいた方が良い情報は?
事前にこれだけは知っておくべき!と強く思うことは特にないのですが、
知っておいた方がベターだということについて書いておきます。
傍聴の手引き
裁判所のサイトにあるので、読んでおくと良いでしょう。
傍聴における注意事項は法廷の前にも書いてあるので、法廷前の待っている時間に確認することもできます。
法廷の中の様子
傍聴に行く前に法廷の中にどのような人たちがいるのかは最低知っておくと良いでしょう。
法廷での手続きの流れ
刑事事件、民事事件でそれぞれ手続きの流れが異なりますが、この流れも押さえておくと、次は何が行われるのかが抑えられて良いと思います。
裁判用語
初心者は、裁判長や弁護士が話している内容の中に難しい単語が登場すると何を言っているのか分からなくなる事があります。自分はそうでした。
事前にいくつかの専門用語を抑えておくと良いでしょう。
民事裁判編
訴状:原告が訴えを提訴するために裁判所に提出した書面
答弁書:訴状に対する被告の応答を書いた書面
準備書面:自分の言い分を書いた書面
争点:争いのポイントや証拠を整理し、確定する
集中証拠調べ:証人などの尋問を集中的に行う
認否:弁論の中で、相手方の主張する事実を争うかどうか答えること。争わない場合は「認める」、争う場合は「否認する」または「不知(知らない)」と述べます(争われた事実については、証拠によって証明されなければなりません)。
甲号証:原告が提出した書証(証拠書類)
乙号証:被告が提出した書証
刑事裁判編
公訴事実:起訴状に書かれている犯罪の内容(これを検察官が立証しなければなりません)
甲号証:検察官が請求する証拠のうち、目撃者は被害者の供述調書
乙号証:検察官が請求する証拠のうち、被告人自身の供述調書
同意・不同意:相手方が提出した書類を取り調べることを認める場合は「同意」、反対する場合は「不同意」と述べます(書証は、原則として、相手方の同意がなければ証拠とする事ができません。)
論告:証拠調べが終わった後に、検察官が事実や法律の適用などについて述べる最終意見
求刑:論告のうち、刑についての意見が求刑
最終弁論:弁護人の最終の意見陳述
情状:犯行の動機や被害弁償の有無など刑を決める上で参考となる事実
傍聴券は必要なの?
ほとんどの裁判は傍聴券なしで傍聴可能です。
傍聴券が必要な裁判はこちらで確認ができます。
傍聴券なしの裁判の傍聴
⑴裁判所にいく
⑵セキュリティチェックを通過する
⑶カウンターで傍聴する裁判の時間・法廷をチェックする
⑷時間に近くなったら法廷前に集まる
⑸携帯の電源を切ってから法廷に入室する
の5ステップです。
傍聴券ありの裁判の傍聴
私が訪れた日は1件だけ傍聴券が必要な裁判がありました。
注目の裁判(優生手術を巡って国を相手取った国家賠償請求裁判)で、入り口の前あたりで13時過ぎ〜13時40分ごろまで整理券の配布が行われました。
通常は、その後抽選によって傍聴できる人が決まるのですが、その日は傍聴希望者が定員(60名程度)に満たなかったことから、全員傍聴可能となりました。
裁判所まで足を運んで抽選落ちとなると少しモヤモヤするので、今回は通ってよかったです。
傍聴者はそのまま、裁判所の官内に入り、セキュリティチェックを受けます。空港の搭乗ゲートのような金属探知をするゲートを潜り、手荷物検査を受けます。
空港とは違ってペットボトルは持ち込みOKでした。
その後、開廷時間に近くなったら、傍聴券に記載された法廷に向かいます。今回の法廷は、103号法廷でしたので、1階の北側に傍聴券を手にした軍団でぞろぞろと向かいます。
服装は自由?
原則自由、節度のある身だしなみであればOKそうです。
男性はスーツの方が多い(ぱっと見8割くらいスーツ)ように感じられました。
女性の方も過度な露出は避けるなど厳粛な法廷の場にふさわしい格好が良いでしょう。
メモはとっても大丈夫?
メモはOKです。しかし録音や写真はNG。法廷内だけでなく、裁判所の敷地内での写真もNGです。
傍聴の感想
民事 国家賠償請求裁判の傍聴
被告:国 原告:個人
今話題の強制不妊の国家賠償請求裁判でした。
第3回原告側論述がメインでしたが約20分で終了。
初心者は初回の審理を傍聴すべし!と言う鉄則をどこかのサイトで見たのですが、これは破られたし。
法廷の中は、ディスプレイも複数台用意されていて少し近代的。
この法廷ちょっと特別だったみたいです。
事件内容を考慮した、原告人や傍聴者に向けた配慮から、表示された資料も字が大きくて読みやすい、弁護士の発言も声が大きく聴きやすい、手話通訳士もいる、など特別な法廷でした。
ただ、期待した弁論はほとんどない。知的好奇心はあまり満たされない結果。
正直、単語が難しくて聞き取れなかった部分も多かったのですが、原告側の主張はこう。
原告側の主張
・強制的な優生手術は憲法17条、憲法13条に対する違法行為である
・被害を回復するための法律を制定する必要がある
被告側の反論
・優生手術は20年以上前の事で時効である
原告側の反論
・行った違法性から判断して国が自らを時効とする事が許されるのか
そして、論点は憲法17条の国家賠償請求に関する内容と憲法13条の解釈に移りましたが、被告側が過去の判例に対しての不理解がある事と、被告側の論点の内容が不明瞭な事から書面での質問書の提出という運びになったようです。次回は2月(日付は聞き取れず)に審理が行われるようです。
(素人が聞きとった内容なので漏れている事はありそうですが・・・)
素人から見ると、「不理解」との言葉を法廷の場で使っている被告側が不利な印象を受けました。
強制不妊については、新聞記事で見た事はあったのですが、改めてこのような事がつい25年前頃まで行われていたと言う事実を突きつけられました。
今のダイバーシティを是とする社会では到底許されない行為だと思います。
強制不妊とは
「不良な子孫の出生を防止する」目的で、旧優生保護法に基づいて行われた不妊手術。遺伝性疾患、遺伝性ではない精神疾患や知的障害のある人について医師が申請し、自治体の優生保護審査会の決定などを条件に実施された。本人の同意は不要で、国の統計では、1949〜92年に全国で約1万6500件、うち北海道は全国最多の2593件に上る。国を相手取った訴訟のほか、救済立法を模索する国会議員の動きも出ている。
朝日新聞2018年05月18日 朝刊
知財裁判の傍聴
被告:某メーカー 原告:個人
知財の裁判って他もこうなのでしょうか?こちらは5分程度であっけなく終了。何も得るものなし。
書類の提出がメイン。裁判官から資料の不備など3点意見があり、その内容について弁論準備に付する上の合意がなされて終わり。
正直に、素人目ではこれってメールのやり取りだけで良くない?と思ってしまう内容。効率的にやればもっと早く審理は進むのでは?
その後別室で被告側と原告側が裁判官と今後の進め方について話し合う流れに。
もちろん、別室には傍聴者なし。
どうやら、この別室での手続きは、弁論準備手続といって、民事訴訟法でも合法化されている手続きのよう。
これは・・・裁判が形骸化しているとしか思えない。
審議の本質は、別室での会議と資料でのやり取りの方にあって、裁判にはない。
私がこの時感じた違和感に共通する記事があったので、リンクします。
裁判手続きのIT化について
知財裁判についてぶっちゃけメールで良くないと思ってしまったのですが、ちょっと調べて見た所、裁判手続きなどのIT化について検討が進んでいるようです。
まとめ
傍聴についての個人的感想をまとめます。
・初心者はやはり初回審理からが妥当
・知財裁判は自分にとっては傍聴するに値しなかった
・XXが足りていないのでまた次回という流れが非合理的だと思った
・知的好奇心を満たす弁論は期待値低めなのかも
『10年後、君に仕事はあるのか?』藤原和博 が教える「100万人に1人」の存在になるAI時代の働き方
こんにちは。あごきれウサギのみもらです。
最近本屋で見かける『10年後、君に仕事はあるのか?』の著者であり、日本で初めて民間企業から公立中学校の校長先生に就任して有名になった藤原和博さんの動画をみて、影響を受けたので紹介します。
10年後、君に仕事はあるのか?~藤原和博が教える「100万人に1人」の存在になるAI時代の働き方
この動画はグロービス主催の講演会の動画になります。
これからの時代、「なくなりにくい仕事」が人間が本来するべき仕事である!と言う前提で、10年後どんな仕事が必要とされるか?と言うことについて示唆してくれます。
- なくなる仕事
- なくなりにくい仕事 ⇨ 人間が本来するべき仕事
- 新しく生まれる仕事
なくなりにくい仕事ってどんな仕事?
<一般的な例>
・人間の手先の関節の動き
・手先の適度な温かみ
⇨マッサージ師は残るだろう
・高度なHuman Care
⇨保育、看護、介護は残るだろう
・情報編集力(判断力、思考力、表現力)が大事になる仕事
⇨学者、クリエーター、デザイナー
<みもらの意見>
・人類がこれまでの歴史の中で試行錯誤の末に生み出した英知を守る仕事
⇨法曹
・情報編集力を高めるための教育
⇨私塾、教育関連機関(財団など)
これからの人生で大事なこと
- 需要が膨らむ分野で供給が少ない分野にチャレンジする ⇨プログラマー等
- 希少性にチャレンジする、自分自身をレアカード化する ⇨独自のキャリア形成
3つのキャリアを3角形にして自分のキャリアを形成しよう
- 3つのキャリアを3角形にして自分のキャリアを形成していこう
- 1つキャリア構築には、1万時間必要。5年~10年
- 20代で1足目、30代で2足目、40代で試行錯誤してジャンプ
- 1/100 × 1/100 × 1/100 = 1/100万
(例えば)
経理 × 財務 × ジャンプ!
(3つ目のキャリアは意外性があって不利な勝負をした方が良い。)
営業 × 海外 × 教育!
本も気になります!
10年後、君に仕事はあるのか?―――未来を生きるための「雇われる力」
- 作者: 藤原和博
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『一瞬で相手をオトす洗脳術 禁断の「一目ぼれ」テクニック』苫米地 英人
こんにちは。あごきれウサギのみもらです。
今日は、東京MXTVのバラいろダンディに長くレギュラー出演されていて、知識が豊富でウィットに富んで面白い発言をしている苫米地英人氏の著書を読んでみました。
本の方は・・・?
うん、やっぱり面白い。
著者は、洗脳術が悪用されている現状を悲観し、良民が洗脳されないようにと言う思いで禁断のテクニックを教えて下さっています。そう言う意味で、善意でこの本を執筆されています。
著者は、東洋の哲学にも精通されており、逆腹式呼吸でリラックスすることがまず必要だと言っています。
⑴自分がリラックスする
⑵好感度アップ
⑶一目惚れ
の3ステップです。
ここに書かれているテクニックを自分も少しやってみましたが、うーん、やはり難しい。
- デジャブ現象を呼び起こす(選挙活動はこれを狙った活動が多いそう)
- 相手の目を見ることで相手の視線を動かす
ちょっとシチュエーションが限られましたが、これは実践できそう。
- 共有の空間の支配者になる。例えばコーヒーカップを少し移動することで可能
とはいえ、素人が実践することではないと思います。
この他にも紹介されているテクニックはあるのですが、この方法を知ってしまうと、似たような行動を取っている人がいると、
「ん?この人は洗脳しようとしているのかな?」
なんて思ってしまいそうですが、それが著者の狙いであるので良しとします。
一瞬で相手をオトす洗脳術 禁断の「一目ぼれ」テクニック【特殊音源CD付】
- 作者: 苫米地英人
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『日本人のための憲法原論』小室直樹
この本はAmazonレビューでもかなり高評価だったのですが、読んでみて納得しました。
わかりやすい!憲法学
この本はまさに、わかりやすい!憲法学と言えるでしょう。
現在の日本と日本国憲法が、様々な問題を抱えている現状について、西洋史まで遡って論じます。
そして、国際関係、政治、経済、宗教など様々な切り口からどのような社会的な選択、変遷を経て日本国憲法が出来上がったのかを全492頁で熱く伝えています。 西洋史と日本国憲法がつながっているという事実がわかる、まさに「目から鱗」になる本です。
正直、世界史の授業を受けるよりもこの本を読む事の方が十分意義があるように思います。
資本主義ってなに?
民主主義的政治ってなに?
日本は民主主義国なの?
といった疑問に答えを与えてくれます。
確かに、1人の学者の意見という見方もあるでしょうが、それよりもこれほどまでに多角的な視野でダイナミックに物事が起きた背景を論じることができる学者は日本にどれだけいるのでしょうか。
私のような素人にも読みやすいように、著者と編集者の掛け合いが合間合間にあって、著者が「伝えたい!」と思っていることがひしひしと伝わってきます。 それと同時に自分の無知にも気づくことができました。
この本が書かれたのは、10年以上前ですが、当時の日本が置かれた姿に危機感を抱いていた著者が晩年に残した遺作といっても良い本ではないでしょうか。
小中高で学んできた事を再び大人になって学び直すという事の必要性をこの本に出会ってから深く認識しました。
憲法とは誰が為のものか?
私がこの本の冒頭でまず目から鱗だったのは次の点
この解釈は憲法学者の中でも賛否はあると思われるますが、著者は法律は国家権力という強大な力を抑制するために必要なものと認識しています。
自分自身は、法律は国民の行動規範のようなもののイメージが強かった。また裁判も被告人を裁くものと思っていた。
しかし、本質的にはそうではなく、強い権力を持った検察、行政を裁く為のものとして存在しているという事実。
そして、 憲法は、司法、立法、行政の権力に対する命令 つまり、憲法もまた、国民のためではなく、司法、立法、行政を取り締まる為のものである。
そして、今の日本が陥っている現状はこの「憲法が死んでいる」ということに起因しているという。
強い権力は乱用される。
これは過去の歴史を遡ると必ずそうなると言えることがこの本からわかります。
その為、権力を抑える力が必要で、その役割を宗教と憲法が担っているのだとか。
今の日本は「憲法が死んでいる」
しかしながら、今の日本はこの憲法が正しく機能していない。
日本国憲法はGHQが作成した憲法原案がほぼそのままの形で残っています。
それは、元をたどるとアメリカの憲法の元となったロックの「社会契約論」の精神が息づいていると言うことです。
社会契約論とは国民は納税する代わりに国と契約を結ぶというもの。
その契約の内容が憲法であり、国が定める公約もの契約の一つなのです。
しかしながら、日本では、政党が掲げる公約は守られないことが多く絵に描いた餅のような存在になっている。
ここまで、憲法が死んだ存在になってしまったのは、日本には憲法はあるがそれを支える精神がないということが原因ではないかと推測しています。
「民主主義を目指しての日々の努力の中に、はじめて民主主義は見いだされる。」
今再び起きている改憲の論議を聞いて、著者がどのような発言をするのか、聞いてみたかったです。
『運命を拓く』中村天風
こんにちは。あごきれウサギのみもらです。
今日は少し古い本を読みました。あのパナソニックの創業者である松下幸之助さんや京セラの創業者である稲盛和夫さんなどのビッグな方々が教えを学んだ、日本の重鎮のなかの重鎮たる人物の書です。
私自身、30代ですが、この年齢でこの書に出会えたのは本当に運が良かったと思います。
中村天風という人物について
明治9年に現在の東京都北区に生まれた天風(本名:三郎)は、明治36年に日露戦争の諜報員として満州の地で生死を分ける経験をして帰国後、30歳にして奔馬(ほんば)性(結核の症例の中でも急速に症状が進むもの)肺結核を発症しどんな治療を受けても快方に向かわなかった。苦しみの中で読んだ本に感銘を受け、作家であるオリソン・スウェット・マーデンを訪ねて渡米するも、あまり相手にされなかった。その後、様々な人物と出会い、コロンビア大学に入学し、自律神経系の医学を学んだとされる。その後もフランスなどを渡り歩き、偶然降り立ったインドで出会ったヨーガの聖人であるカリアッパ師との運命的な出会いを経て、ヒマラヤ山麓で2年半の修行の後、病が完治するのである。帰国後は自ら悟った心身統一法を説く活動を始める。
本書で伝えている教え
本書は、中村天風という人物が、重い病に苦しんで苦しみ抜いてようやく快方に向かった時に悟った真理というものを、明文化して伝えている。それは、決して宗教的な何かでも、医学的な何かでもなく、現在ある命を有意義に使うための基礎的な考えを正確につくりあげるための教えである。
この世は本質的に楽しい、嬉しい、そして調和した美しい世界
人間の心というものの偉大さを説いている。
人間の心というのは、一方においては、人間の運命や健康その他人生の一切をよりよく建設する力があると同時に、またこれと反対に人生をより悪く破壊する力もある
「人間の健康も、運命も、心一つの置きどころ」
「心が人生を創る」
命の力を豊富に受け入れられる活き方とは、いかなる場合にもその心の態度を積極的に保つことであって、どんな場合にも最高度に引き上げられた自己認証をゆるがせにしないことである。
本書を通して積極的な心が人生を切り開いていくのだと教えてくれている。
恐れ、怒り、悲しみ、妬みのような心で消極的に世界をみるのではなく、悲しいことがあっても「自分は生きているではないか。」というように積極的な捉え方をする。
「蒔いた種のとおり花は咲く」
本書では、章の終わりにまとめとして誦句(しょうく)がいくつか載っている。その中で、自分が気に入ったものを2つほど載せておきます。
蘇えりの誦句
われは今、力と勇気と信念とをもって蘇り、 新しい元気をもって、正しい人間としての 本領の発揮と、その本分の実践に向かおうとするのである。
われはまた、わが日々の仕事に、 溢れる熱誠をもって赴く。
われはまた、悦びと感謝に満たされて 進み行かん。
一切の希望 一切の目的は、厳粛に正しいものをもって標準として定めよう。
そして、常に明るく朗らかに統一道を実践し、ひたむきに、人の世のために役立つ自己を完成することに、努力しよう。
一念不動の誦句