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『運命を拓く』中村天風

こんにちは。あごきれウサギのみもらです。

 

今日は少し古い本を読みました。あのパナソニックの創業者である松下幸之助さんや京セラの創業者である稲盛和夫さんなどのビッグな方々が教えを学んだ、日本の重鎮のなかの重鎮たる人物の書です。

 

私自身、30代ですが、この年齢でこの書に出会えたのは本当に運が良かったと思います。

 

中村天風という人物について

明治9年に現在の東京都北区に生まれた天風(本名:三郎)は、明治36年日露戦争の諜報員として満州の地で生死を分ける経験をして帰国後、30歳にして奔馬(ほんば)性(結核の症例の中でも急速に症状が進むもの)肺結核を発症しどんな治療を受けても快方に向かわなかった。苦しみの中で読んだ本に感銘を受け、作家であるオリソン・スウェット・マーデンを訪ねて渡米するも、あまり相手にされなかった。その後、様々な人物と出会い、コロンビア大学に入学し、自律神経系の医学を学んだとされる。その後もフランスなどを渡り歩き、偶然降り立ったインドで出会ったヨーガの聖人であるカリアッパ師との運命的な出会いを経て、ヒマラヤ山麓で2年半の修行の後、病が完治するのである。帰国後は自ら悟った心身統一法を説く活動を始める。

中村天風 - Wikipedia

 

本書で伝えている教え

本書は、中村天風という人物が、重い病に苦しんで苦しみ抜いてようやく快方に向かった時に悟った真理というものを、明文化して伝えている。それは、決して宗教的な何かでも、医学的な何かでもなく、現在ある命を有意義に使うための基礎的な考えを正確につくりあげるための教えである。

 

この世は本質的に楽しい、嬉しい、そして調和した美しい世界

人間の心というものの偉大さを説いている。

人間の心というのは、一方においては、人間の運命や健康その他人生の一切をよりよく建設する力があると同時に、またこれと反対に人生をより悪く破壊する力もある

 

「人間の健康も、運命も、心一つの置きどころ」

 

「心が人生を創る」

 

命の力を豊富に受け入れられる活き方とは、いかなる場合にもその心の態度を積極的に保つことであって、どんな場合にも最高度に引き上げられた自己認証をゆるがせにしないことである。

 

本書を通して積極的な心が人生を切り開いていくのだと教えてくれている。

恐れ、怒り、悲しみ、妬みのような心で消極的に世界をみるのではなく、悲しいことがあっても「自分は生きているではないか。」というように積極的な捉え方をする。

「蒔いた種のとおり花は咲く」

 

本書では、章の終わりにまとめとして誦句(しょうく)がいくつか載っている。その中で、自分が気に入ったものを2つほど載せておきます。

 

蘇えりの誦句

われは今、力と勇気と信念とをもって蘇り、 新しい元気をもって、正しい人間としての 本領の発揮と、その本分の実践に向かおうとするのである。

われはまた、わが日々の仕事に、 溢れる熱誠をもって赴く。

われはまた、悦びと感謝に満たされて 進み行かん。

一切の希望 一切の目的は、厳粛に正しいものをもって標準として定めよう。

そして、常に明るく朗らかに統一道を実践し、ひたむきに、人の世のために役立つ自己を完成することに、努力しよう。

 

一念不動の誦句

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運命を拓く (講談社文庫)

運命を拓く (講談社文庫)